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* Blue and White *

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* 輝く太陽のその先に *

●設定(アニメ沿い)
禁忌の箱が4つ揃い、眞王廟に保管中。
村田は宗主の力によって飛ばされた。
表向きにはギュンターは実家に帰ってるとか。
宗主を倒す前の話なので、強いモルギフはいませぬ。
……ついでに、宗主に取り憑かれても自覚はありません。






………まっくらな世界。

どこを見たって真っ暗で、何も見えない。

左も右も上も下も…自分が立ってるのか座ってるのか分からない。

おれは誰で……ココはどこ?

どうしておれはココにいるのかな?


……どうして、おれの側には誰もいないの?









* 輝く太陽のその先に *









禁忌の箱が4つ、集まってホッと安心していた時だった。

それはとても些細なことで、でも宗主はその隙を見逃さなかったんだ。



眞王廟に箱を預けて血盟城に戻った。

あとは箱を封印する儀式だけだったから。

………そう、それですべてが終わったはずだったのに。



相変わらず独特の寝息を聞きながら、今までの事を思い出したりした。

とても大変で辛い時もあったけどそれももうすぐ終わり。

これからは平和な生活が戻ってくるんだって。

安心しながらおれは眠りについた。





「………ヴォ、ル……フ……?」



寝苦しさで目が覚めた時、おれは信じられない光景を見た。

虚ろな目をしたヴォルフラムがおれの首を絞めていた。

上手く空気が吸えずにボーっとしてくる頭を動かして抵抗もした。

だけど絞めてくる力は増す一方で。

名前を呼んだって声は届かなくて、意識が遠退いていった。





目を覚ました時にはコンラッドが心配そうに覗き込んでいた。

あたりを見回してもヴォルフラムの姿は無かった。

ヴォルフはおれが気を失った後、正気に戻ったらしくコンラッドの部屋を訪ねたらしい。


「ボクはユーリと一緒にいると…あいつを殺してしまいそうで怖い……。
 だからお前がユーリのそばにいてやってほしい。」


そう言い残してヴォルフラムは眞王廟に行ったらしい。

話はグウェンにも回ったらしく、護衛を兼ねてコンラッドと寝る事になった。

その時にまさかコンラッドまで操られてるなんて思いもしなかった。





まだ夜は深夜を回ったばかりだったからすぐに眠気にさそわれるがまま眠りについた。

でもどこかで不安があったのか物音がして目が覚めた。


隣を見ればコンラッドが起きあがりベッドから出ていった。

トイレに目が覚めたのかななんて思ってた。

でも剣を引き抜く音がしておれは耳を疑った。


「……コンラッド? 剣なんか出して、何かあったの?」

「…………………」


聞いても返事は返ってこなくて…何かが変だと思った。

そのままコンラッドが無言でベッドに戻ってきた。


「コンラ……っ!!」


スッと銀の光の筋が見えたから咄嗟に左へと体を動かした。

と、同時に右腕に激痛が走った。

コンラッドの剣がベッドに突き刺さり、おれの右腕を掠っていた。


「目を覚ましてコンラ…っ!? コンラッドっ!!!!」


名前を呼んでも返事は返ってこなかった。

ただ刺さっていた剣を引き抜くと再び振りかざしてきた。

逃げても間に合わないとおれは思った。

だからコンラッドの名前を呼んで降ってくる剣を掴んだ。


「………ユーリ?」

「良かった、コンラッド。 正気に戻ったみたいだな……」


しばらくの沈黙の後、コンラッドの瞳に光が戻った。

でも、自分が持っていた剣とおれの怪我を見てすべてを悟ったらしく…


「ユーリっ!! ……すみません…………ギーゼラを呼んできます…」

「…ちょ、コンラッドっ!?」


そのままコンラッドは部屋を出ていった。

しばらくしてグウェンとギーゼラが部屋に入ってきた。

………でも、コンラッドの姿は無かった。




治療を済ませたあと、グウェンに聞いたんだ。

コンラッドはどこに言ったかを……。

そしたら案の定、血盟城に向かったと聞いた。




「2人とも、宗主に操られてたんだろ?」

「……やはり小僧も気付いていたか…」

「となると、眞王廟に行った時とか?」

「あぁ、おそらくはその時にだろう」

「……グウェンは大丈夫なのか?」


しばらくの間、沈黙が続いた。

これで大丈夫じゃないなんて言われたらおれどうすればいいんだか。


「……私は、たぶん大丈夫だ…」

「そっか、良かった……」

「まだ夜も遅いし、寝れたら寝ておけ」

「……え、グウェンは部屋に戻っちゃうの?」

「…私がいたらまた……危険な目にあうかもしれないだろうが…」


そう言われて言葉に詰まったおれを置いてグウェンは部屋を出ていった。

確かに誰もいない方が安心なんだろうけど…。

身近な人に襲われて恐怖がなかったわけじゃないけど、淋しいと感じた。





ギュンターは確か実家に用事で帰ってるし………あれ?

ギーゼラがいるならギュンターに知らせが回ってるはずなのにな……。

そういえばアニシナさんやツェリ様や他の人達はどうなんだろうかとか。

おれの大事なグレタは今どこにいるんだっけとか。

考えてるうちに眠気がやってきたのでまた眠りについた。

……この時は普通に眠気がきたんだと思ってた。





目が覚めた時は朝だった。

今までの事が夢であってほしかった。

でも腕や頭の包帯が昨日の事をしっかり記憶していて。


眠りについたのが遅かったから実際はそんなに寝てないけど。

ただ、起きた時に何か違和感があったんだ。

体が怠くて熱っぽいような……こんな時に風邪でも引いたかななんて…。

実際に風邪を引いただけなら良かったのに。




起きてそんなに経たないうちにドアがノックされた。

返事を返したらグウェンとギーゼラが入ってきた。

手には治療薬と……剣を持っていた。


「……も、もしかして2人とも…操られて……」


思わずコンラッドの時の光景が脳裏に蘇って声が震える。

……2人相手にこの怪我じゃ逃げきれない。

おれは目を瞑って視界を断った。

こんなことしたって現状は変わらないと知っていても。




しばらくして鞘から剣を引き抜く音と部屋へと近づいてくる足音が聞こえた。

おれの命もここまでか、なんて思った矢先ドアが勢いよく開く音がして。

思わず目を開けてその光景を見て驚いた。


「……やはり2人で来たか。ギーゼラ、いくぞ!」

「はい!」


グウェンとギーゼラが剣を持って構えると

コンラッドやヴォルフも剣を構えておれに近づこうと走り出す。

もちろんグウェンとギーゼラが止めてくれてるけど……。

いつもはみんなで仲良く笑いあっていたのに今は傷つけあって……。


「……コンラッドも…ヴォルフも………なんで? ……仲間だろ?」


仲間同士で争わないといけないなんて……悲しすぎるよ。

おれが立ち上がらなきゃ何も始まらない。

怪我なんて知ったもんか。

痛む傷を押さえながらベッドから降りる。

そんなおれにグウェンやギーゼラは驚いたようだったけど気にしない。



体の奥から力が沸いてきて何でも出来る気がした。

いつもの水竜を2匹、自分の背後に呼び出す。

そのままドアの方へと歩き出す。



いつだったかな、村田が言ったんだ。

宗主はもともと人から生まれた物なんだって。

心に隙があれば誰にでも移るんだって。

まだそんなに時は経ってないから眞魔国内で収まっているはずだ。



剣を振りかざしてくるコンラッドやヴォルフを水竜が呑み込む。

しばらくして水竜が離れた2人の体は力を無くし倒れた。

水竜はグウェンやギーゼラも同じように呑み込んだ。

部屋には立っているおれと、倒れている4人。

そのままふらつく足で屋上を目指す。

途中で数人の兵士が追ってきたけど、軽く避けて進む。





周りを信じられないなら自分の道を信じるしかない。

屋上へと上り、城下が見渡せる場所へとさらに上った。

外の天気はどんよりとした曇り空でおれは微笑む。

下の方からは残っていた兵士達が屋上へと上がってきていた。

ちらりと下へ目をやって城下へと視線を戻す。


「……我が眞魔国を侵そうといている宗主とやら……ただちに消え去るがいい。
 他の場所へ逃げる時間なんぞやるものか……成敗っ!」


両手を掲げるとおれに付いていた水竜が2匹、大きくなりながら雲の中へと消えていった。

しばらくの沈黙のあと静かに雨が降り出して。

街やあちこちからキラキラと光があがった。

もちろん下にいる兵士達もキラキラと体が輝いている。


「……あれ? おれたちはいったい……」

「なんで屋上なんかに……?」

「陛下っ、そんなとこにいたら危ないですよっ!?」

「危険ですので降りてきてくださーい!!」


正気を取り戻したのか下から声をかけてくる兵士達におれはホッと息を吐いて微笑む。

と同時に力を無くした体はグラリと傾き立っていた場所から落ちる。

屋上のさらに上だから落ちたらただじゃ済まないはず。

結局おれの命はここまでか、なんて思いながら静かに目を閉じる。





だけどその後にやってきた衝撃はとても柔らかく、痛みはなかった。

どうしたものかと思って目を開ければコンラッドが心配そうに覗いてきて。


「…大丈夫ですか、陛下?」

「………コンラッド?」

「えぇ、俺です」

「……陛下って呼ぶなよ、名付け親…」

「すいません、ユーリ。つい癖で…」

「いつまで抱いてるんだコンラッドっ!! 何故ユーリも嫌がらないんだ!!」


そう言って2人して吹き出してたら後ろから来たヴォルフに怒られた。


「……みんなが元に戻って良かった…。
 ごめん、ちょっと眠いからおれ寝るよ………」

「……あぁ、今はゆっくり休め」


もう何も怖いものは無い……安心して眠れる。

おれはそのまま深い眠りについた。









目が覚めた時は空は晴れてとてもいい天気だった。

コンラッドが部屋の花を入れていたけど、おれに気付いたのか振り返った。


「ユーリ、目が覚めましたか」

「うん。 おはよ、コンラッド!」

「おはようございます」

「おれ、今回は何日くらい寝てた?」

「今回は4日でしたね。 あれだけの力を使ったわけですし」

「そっか、やっぱ修行が足りないなぁ~」


あははと笑うおれをコンラッドは切なそうに微笑んだ。







しばらくしてドアがノックされ、みんながぞろぞろと部屋に入ってきた。

どうしたのかと問いかける前に


「陛下がいなければ俺たちは宗主に乗っ取られるところでした。
 俺たちを助けてくださってありがとうございました」

「ちょっ、みんな!? おれさ、そんなの気にしてないからさ。
 そんな風に改まって言われると照れるから…ってか、おれもよく覚えてないし」

「でも俺たちはあなたに助けられてたんです。
 ……いくらお礼を言っても足りないくらいに、ね?」

「………うん」

「みんなの気持ちをそのまま受け取っておけ」

「……わかった」


実際のところ、自分で何をしていないか覚えていないんだけど。

きっとまた上様化でもしたんだろうな。

みんなは礼を言うと自分の持ち場へと戻っていった。













………でもさ、おれもみんなに感謝してるんだけどね。




大事な人を守りたくて頑張ったんだ。

みんながいたからこそ、おれは頑張れた訳で。

1人だったらおれは頑張る力なんてきっと出てこなかっただろうし。

きっと宗主に負けてたと思うんだ。




― ぉしまぃ ―





-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-



あとがき


こんにっちゃー^^*
思った事をすぐに小説にしちゃう如月さんですvv(ぇ

さてさて今回のお話し、ごっつシリアスで構成されてます☆
勝手に捏造「マニメ最終話」編っ!!!(嘘 ←地球に帰ってないし、封印してないし

シリアス大好き、陛下いじめ大好き、コンユ大好きですから~っ!!!!!(黙
でも今回はコンユじゃなくて…グウェユだった?(ぇ
……いやいや、ノーマルでしたね☆

まぁ、そのくせに終わりが微妙でごめんなさいー^^;
あんまグダグダ書くと読むの飽きるかな~なんて思って……(←
如月に書かせるとどんどん長くなりますのでご注意を☆
無駄に改行をしたがるので、なおさら長文にね!

ほら、あとがきがどんどん長くなる……^^*

んで、最期に一言。
ギュンターやアニシナさん、猊下にヨザックはどうしてたのかって話ですょ。(笑

……続き、気になります?(←

続きが気になるよ~って方は
あとがきを最期まで読んでくださったということで。
大変な時に居なかった人達のお話を2つコチラからどうぞ~☆



2008.06.03

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