Happy time
~The day which can be passed with everybody ~
ねぇ、ユーリ……?
俺はあなたがとってもとっても大切で。
だからこそ俺の手で必ずあなたを守ると言ったのに。
あなたはこの世界から一人で消えてしまって、とても悲しかった。
でも、あなたはこの世界に見えない姿で彷徨っていた。
姿は見えなくても傍に居てくれるなら俺は嬉しい。
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ユーリがこの世界にまだ居るという事実を知ってから、俺の日課は元に戻った。
例え姿が見えていないとしても、この世界にユーリはいるのだから。
そして、次の日。
朝になったのでいつも通りユーリを起こしに部屋まで行った。
そして、そこで俺は驚くべき体験をした。
「この部屋にいるか分からないですが……起きてますか?」
ユーリに声をかけて部屋に入る。
いつもなら”おはよー、コンラッド!”と返してくれるユーリの姿はない。
この世界にまだ居るというのにやっぱり姿が見えないのは寂しい。
とりあえずロードワークに出掛けようと思ったものの、困った事にどうやって一緒に走るかは考えてなかった。
そんな時。 突然肩を2回、誰かに叩かれた。
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ユーリの事を考えていて人の気配にすら気付けなかったというのか。
驚いてバッと後ろを振り返ったが、誰も居なかった。
けど、変わりに【って、う…うわ……痛ぅっ!!!】とユーリの声が聞こえた。
一瞬、腕に何かが当たる感触がしたんだ。
……これは、間違いなくユーリだ。
おれは気が付いたらユーリの名前を呼んでいた。
返事がないのは分かってた、けど名前を呼ばずにはいられなかった。
しかし予想とは反対にユーリの声が再び聞こえた。
「お、おれはココにいるよ、コンラッドっ!!!」
でも声が聞こえるばっかりでユーリの姿は見えない。
いや、まてよ……声のする方にユーリが居るという事だよな。
……とすると、ユーリは今そこに……ユーリは俺の目の前に居るんだ。
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「ユーリ、大丈夫ですか? お怪我は?」
「大丈夫だよ。ってか、俺の声…聞こえてるの?」
「ええ、今のところは。 以前はユーリの声は聞こえてなかったんですけどね」
「そっか、でも声が聞こえるようになって良かったぁー。」
「俺もですよ、ユーリ。 あなたが傍にいるって実感できて幸せです…本当は姿も見えたらいいんですけどね」
声が聞こえる、それだけで嬉しくってついついユーリと会話が弾んだ。
ユーリも声を聞くだけでは元気そうで、とっても安心した。
「でも突然話せるようになるなんて…あ、もしかしてっ!!」
「……ユーリ?」
「いや、さっきコンラッドに触ろうとして力を込めたんだけど…ちょっと力み過ぎたかな?」
ユーリ曰く、魔力を使うように力を入れると物に触れるようになるらしい。
それで俺の肩を叩いたんだってユーリは嬉しそうに語った。
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[1回]
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