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16話

村田に手をひかれて飛び込んだ水の中。
これで全てが元通りになるのだと思うとホッとした。

だけど、勢いよく水から顔を出すとそこは1度も来たことがない場所で。

しかも…おれの側には村田もコンラッドの姿もなかった。






#16 失われた記憶






「……村田ー?……コンラッドー?」


どこか近くに流れ着いてないか呼んでみるが返事はなかった。

2人は一体どこに流れ着いたのだろうか…。
そんな考えを抱くと同時に、自分のいる場所も分からないことを思い出した。


「とりあえず、森から出ようかな…」


1人でポツリと呟いて濡れた格好のまま森の中を歩いた。

辺りは夕方頃なのか少し薄暗くなってきて足下がよく見えない。
ましてや森の奥に流されたのか、出口がどちらにあるのかも分からない。


「えーっと……軽く遭難してる?」


コンラッドが側にいたらギャグで返されそうだ。
でも、今は違う場所に流されてしまった為にいない。

暗くなる前にコンラッド達に会わなければと焦るばかりで。


「やっぱ流された場所で待っ…わっ!? ……ててて」


足下から目を離した矢先に木の根っこに躓いて転んでしまった。

濡れたままだった服には土が付いて泥まみれ。
おまけに転んだ拍子に膝を擦りむいてヒリヒリと痛んだ。


「こんな時にコンラッドが居てくれたら…」


つい先日まで彼の事を2度も忘れていたというのに。

そういえば彼はこっちの世界に帰って来れたのだろうか?
そんな事を呟いていると遠くの茂みが音をたてて揺れ始めた。


「………あはは…クマとか出た?」


恐怖で足が動かないため、冗談でも言って自分を落ち着かせるしかない。

ガサガサと音は次第におれの方に近づいてくる。

なんとか力を振り絞って足を動かして走り出した瞬間
肩を掴まれて後ろから追ってきたクマに捕まった。


「~っ!」

「ユーリ、大丈夫ですか?」

「…あ、大丈夫。クマかと思ってビックリしただけだから」

「すいません、声を一応かけたんですが…」


クマかと思ったらコンラッドがおれを抱きしめていた。
どうやら気を紛らわすついでにコンラッドの呼ぶ声まで遠ざけていたようだ。

ほっとした瞬間にコンラッドしか居ないことに気付いた。


「それよか村田はっ!? 一緒じゃないの?」

「猊下なら途中で合流したヨザックに頼んだから大丈夫でしょう」

「そっか、それなら大丈夫だな……良かった」

「ユーリ、足から血が出てるじゃないですか!」


おれの足を見た瞬間コンラッドはやっぱり、と呟きながら
腰に付けていたポーチから傷薬やガーゼや包帯を取り出して手当をしてくれた。

なんで持っているのかと聞くとヨザックに借りたと返された。
……ようするに、おれが怪我をするの前提で考えられているらしい。


「これで大丈夫ですよ」

「ありがと、コンラッド!」

「それにしても、だいぶ日が落ちてきましたね」

「足下とかほとんど見えないもんなぁ~」


辺りを見回しても暗闇が続いていて
唯一、コンラッドが焚いてくれた松明だけが頼りだった。


「ここから2時間ほど歩けば森から出られますよ」

「うぇー…そんな遠くまで来てたんだ~…」


正直言うとさっき転んだ時に足も少し挫いちゃったから
なるべく歩く距離は短い方がよかったんだけど…。

とりあえず頑張って歩こうと心の中で気合いをいれて道を聞こうとすると
何故かコンラッドは背を向けておれの前にしゃがみ込んできた。


「………コンラッド?」

「隠してるみたいですけど、足を捻っているでしょう?」

「っ!!!」

「俺が負ぶって歩きますから背中に乗ってください」

「少しくらい大丈夫だって、コンラッドってば心配性だなぁ~」


おれがコンラッドに笑いながら言うと
無理だと思った時は有無を言わさず俺が運びますからね、と彼も笑った。

それから歩いて無事に森から出れた時は日も暮れて真っ暗になっていた。


「今日は宿に泊まって明日、城に帰りましょうか」

「そうだな! って、宿に入る時は自分で歩くから降ろしてくれよ?」

「でも、1人では歩けないでしょう?」

「肩を貸してくれれば歩けるから大丈夫だってば!」


…そう、森の中を数十分歩いた後、おれはコンラッドに負ぶわれてしまったのだ。

まだ頑張って歩けるからいいよ、と断ったのだが

『無理な時は有無を言わさず俺が運びますからって言ったでしょう?』

ってニッコリと微笑みながら言うから、従うしかなかったのだ。



結局その日は宿に泊まり、城に帰ったのは翌日のお昼頃だった。





- * - * - あとがきのようなもの - * - * -

続き、大変遅くなりまして申し訳ございません~…orz

そして今回が最終話だったはずなのに終わらないと言う(←
…っていうか、終われませんでした…(苦笑

たぶん、次話あたりで終われるのではないかと…たぶん思います…たぶん…^^;
ちょっと重要なので3回言いました。

で、内容。
気が向いた時に少しずつ書き足していったので少しあやふやな部分もあるかも?
添削したり書き足したり…話の流れが変わってみたり…(ぅふふ
毎回書く時の気分が違うのであっち行ったりこっち行ったりしてますw

……よぉぉぉーし!
次は飽きずに一気に1話を書ききろうか!(笑


では、次回話をお楽しみに! 如月でしたvv

                   2010.05.20(Thu)...01:53

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